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漢方医学を組み合わせる?医師が語る意外な薄毛治療とは

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

薄毛に限らず、「治療」というと西洋医学のアプローチをイメージされることが多いです。しかし近年、医師の間でも漢方医学の力が見直され、積極的に治療に取り入れるケースが増えているとのこと。今回は、書籍「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」より、漢方による薄毛治療について解説される個所をピックアップして紹介します。

日本で独自の発展を遂げた「漢方医学」

「漢方」というと、誰しもが「中国」「中医学(ちゅういがく)」というイメージをお持ちだと思います。たしかに漢方は中国で発祥したものですが、現在の「漢方医学」というのは、中国から日本に伝わって独自の発展を遂げたもの。つまり、日本特有の伝統医学なのです。

 とはいえ、日本では医師は「西洋医学」に則って育成されています。実際、近年まで、漢方医学は我々の医療のスタンダードとなっている西洋医学とは別物として捉えられていました。

 私自身、医大では漢方を習ったことがありませんでしたし、漢方の成り立ちを知ったのは医師として開業してからのことです。

 しかし、そんな状況も近年かなり変わってきています。患部のみを診て治療しようとする「対症療法」では限界があることから、現在は西洋医学を主としてきた多くの医師たちが、漢方による治癒率の高さに着目して、漢方医学を積極的に取り入れています。医大でも漢方の授業を扱うところも多く出てきましたし、海外の医療機関でも漢方の研究をするところが出てきました。

「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、西洋医学ではこうなりがちです。「木」、つまり体の局部に現われた「症状」を診て、それに対処する方法(例えば皮膚なら皮膚のみに)を取りますが、体全体を診ることはメインではありません。

 一方、漢方医学は「森」、つまり「体全体」を診て、それを整えることで結果的に「木」に好影響が及ぶという考え方です。漢方は「木を見て森を見る」医学なのです。

 私の「肌(髪)の不調は体の中(胃腸)から治す」という考えは、まさしく漢方医学に基づくものです。

 漢方で処方される漢方薬は、生薬(しょうやく)の組み合わせでできた医薬品です。原則、2種類以上の生薬を合わせて調合することになっていますが、その配合のバランスは3000年という長い長い歴史の中で培われてきました。

 おそらくさまざまな研究、実験を繰り返しながら、より効果の高いものへと改良してきたのでしょう。原料は植物中心ですが、動物由来のもの、鉱物などもあります。

 漢方薬は、体を巡る「気」「血」「水」の流れを正常化し、体全体を調整することで、健康で病気になりにくい体質を目指し服用するものとご理解ください。

 なお、漢方薬にも当然ながら副作用はあります。よく勘違いされますが、「天然素材だから安心」ということではありません。服用する場合は必ず医師に相談し、自身の判断でむやみに飲むことは絶対に避けてください。

毛髪治療に対する私の思い

 私は漢方医学と出会い、そのおかげで「アトピーの名医」として取材も受けるようになりました。そして今、皮膚科医として目の前に大きな課題として残っているのが「薄毛治療」という壁です。

 かつてから皮膚科にも薄毛の相談に患者さんは来ていたのですが、十数年前までは何もできない状態でした。そんな中、2005年末、男性型脱毛症治療薬として『プロペシア』が発売されると、一気に皮膚科に普及することになります。きちんと発毛すると医学的に証明されて発売されたものですから、ほぼすべての皮膚科の医師が飛びついたといっても過言ではありません。

 しかし、私の経験の範囲では、抜け毛が減る程度の効果しかありませんでした。中には発毛する人もいることはいましたが、それにしても産毛が生える程度。抜け毛予防くらいの効果は期待できますが、フサフサ生えてくるとはとても言えません。

 皮膚科にとって、患者さんが相談に来ても、一番お手上げな分野が薄毛治療であり、それはプロペシアが発売された後も変わりなかったのです。

 私は研修医の時に、とある先生の外来に見学に行ったところ、薄毛に悩む人が相談に来たことがありました。その先生は患者さんにひとこと、「僕を見たら薄毛治療ができないのはわかるでしょ」と言いました。そうです、その先生、見事にハゲていたのです。笑い話のようですが、それくらい発毛は難しいことなのです。そして、その先生はとある最終手段を付け加えることも忘れませんでした。

「もし、どうしても髪を生えさせたかったら、睾丸を取るしかないよ」

 実際、男性ホルモンを作り出す睾丸を取り出せば、AGAからは解放されることでしょう。本当に摘出した人がいるという実例も耳にしましたし、睾丸を取ったニューハーフの方や、かつて中国にいたかんがんには薄毛の人はほとんどいないという文献を読んだこともあります。

 しかし、「若々しく見られたい」「女性とお付き合いしたい」という切実な思いから薄毛治療を望む方が大半ですから、睾丸を取ってしまって髪がフサフサになったところで、本末転倒なのは言うまでもありませんね。

 とにかく私は、医者として困っている患者を追い返すしかない状況が悔しくてたまりませんでした。特に、病院で相手にされなかったゆえに怪しい発毛サロンに行ってしまい、結果的に何百万円も取られたという患者さんの話を聞くたびに、自分の無力さに打ちのめされていたものです。

ヨムトニック編集部からヒトコト!

漢方薬というと、疲労回復や滋養強壮といった、ちょっと抽象的な健康効果をイメージしますが、医師の間でも注目されるほど幅広い影響を人体に与えるのですね。

本書、「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」には、こうした薄毛についての専門知識が幅広く解説されています。薄毛についてもっと知りたいしたい、という人は、ぜひ購入して読んでみてくださいね。

この記事で引用した書籍の著者
荒浪暁彦

[経歴]

  • 皮膚科医・漢方医・美容皮膚科医
  • 日本皮膚科学会認定専門医
  • 慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師
  • 浜松医科大学漢方医学講座非常勤講師
  • 日本医療毛髪再生研究会所属
  • 日本抗加齢美容医療学会員

静岡と千葉に美容クリニックを展開。西洋医療と漢方を用いた東洋医療をミックスし、他院にないユニークな治療を実践している。漢方を用いた皮膚病治療を広めるため、日本各地で医師向けの講演会を実施するほか、美容関連書籍も執筆するなど、精力的に活動している。

公式サイト:http://www.bihada-clinic.com

著書

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

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