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医師・専門家からのアドバイス

医師が語る最先端の薄毛治療とは

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

これまで、根本的な薄毛治療は困難なものとされてきました。しかし医療技術の飛躍的な進歩により、そうした状況にも変化が訪れています。今回は、書籍「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」より、最先端の薄毛治療について触れられている箇所を抜粋して紹介します。

可能になった薄毛治療の最前線

 かつて発毛は困難なものでしたが、今は事情が変わってきています。ここから、私自身が効果があると実感し、医学的にも説明できる治療法をいくつか簡単にご紹介します。

ミノキシジル

 これまでたびたび「ミノキシジル」にも触れてきました。ミノキシジルはもともとは降圧剤の成分でしたが、服用した方の髪や体毛が増えてくることから研究が進み、発毛剤に転用されました。

 毛母細胞の増殖促進作用が認められ、育毛剤と内服薬があります。育毛剤としては唯一、日本皮膚科学会で発毛作用が認められたのがミノキシジルが入った『リアップ』で、男女共に使用可能です。ミノキシジルについては、後に詳しく論じます。

そのほかの治療薬

 女性はフィナステリドを内服できませんが、フィナステリドと同じようにDHTの働きを抑制する薬として、「スピロノラクトン」や「パントスチン」、「パントガール」を処方する施設もあります。

 スピロノラクトンはもともとカリウム保持性降圧利尿薬で、簡単に言うと、体にたまった水を外に出して血圧を下げる薬です。この薬は女性ホルモンの力を利用し、男性ホルモンの働きを抑制する作用があり、同時にDHTも抑制します。

 ただし、フィナステリドより効果は弱く、心臓や腎臓に負担が掛かったり、必要以上に血圧が下がったりしますから、私はあまりおすすめできません。

 パントスチンは、主成分のアルファトラジオールが軽度にDHTを抑制します。また、パントガールはさまざまな施設で補助的に処方されるミネラルやビタミン剤などのひとつで、毛髪主成分のケラチンと、ケラチンの主成分となるアミノ酸L‐システン、それから細胞分裂を促す葉酸をつくり出すのに欠かせない栄養素のパラアミノ安息香酸、そして糖分、脂質、たんぱく質などの代謝にとって欠かせないパントテン酸Caなどが配合されます。女性も服用できますが、フィナステリドほどの効果はありません。

 究極的には女性ホルモンを補充する方法もあるようですが、副作用を考えると、医師の厳重な管理が必要だと思います。

 最近、さらに効果の高いデュタステリドを有効成分とする「ザガーロ」という内服薬が発売されました。フィナステリドより効果が高いですが、私の患者さんについての印象だと男性機能低下作用も高いようです。実際、インポテンツになって服用を中止した方もいます。

 また、女性専用薄毛治療薬として、欧米で話題となっている「ビビスカル」に私は注目しています。ビビスカルは海洋性の原材料から抽出されたAminoMαr海洋性タンパク質複合体を主原料とし、リンゴ抽出物プロシアジニンB2、ビオチン、ビタミンC、L‐システン、L‐メチオニンが配合されています。

 ミノキシジルに替わる体に優しい発毛薬はないか――私はダメ元でいろいろな発毛サプリを自分自身に試しているのですが、唯一ビビスカルは効果を実感しました。もちろん、漢方生薬やパントテン酸Caなどを併用することにより、さらに効果も高めた場合の話です。

プラセンタ注射

 プラセンタとは「たいばん」という意味です。胎盤には、お腹の赤ちゃんを発育させるためにミネラルをはじめとしてたくさんの栄養素や、胎児を成長させるための成長因子がたくさん入っています。

 この胎盤を原料として医薬品や健康食品として利用されているのが、いわゆる「プラセンタ」です。化粧品にはウマやブタ、ヒツジなどのプラセンタを配合しますが、医院ではヒト由来のプラセンタ(ラエンネック)が全国共通で使用されます。

 これを肌に直接注射すると、肌はプルプルになり、シミ·クスミは薄くなり、アトピー肌やニキビ肌も明らかに改善します。

 当院でも大変重宝していますが、プラセンタを頭皮に注射している医院もあります。以前は当院でも頭皮にプラセンタ注射をしていましたが、現在はやめています。

 その理由はふたつあります。まずひとつ。皮下の脂肪層が厚い頬っぺたや腕と違い、頭皮はすぐ下が頭蓋骨です。プラセンタは量が多いほど高い効果がありますが、頭皮の場合、1回の注射ではあまり量が入らない上に、麻酔クリームをしても、たくさんの箇所に注射すると痛くて患者さんが耐えられないからです。

 もうひとつは、特に女性の場合は頭皮に打たなくても効果があるということ。プラセンタは生理不順、生理痛にもとても効果があり、薄毛改善効果も容易に想像できます。女性の薄毛は女性ホルモンの減少によるものですから、ホルモンのバランスを整えるならあえて頭皮に打たなくても、むしろ1回針を刺してたくさんの量を入れられる体に打ったほうが効果も高いことを経験しているからです。

 最近、母親側(胎盤)のプラセンタより効果の高い胎児側のさいたい血再生因子が注目されています。これまでのプラセンタの数百倍の成長因子が配合されていて、肌の若返りやアトピー、ニキビの改善手段として私も使っています。発毛にも効果があるのですが、もっと効果的な手段があるため、私は発毛治療には用いていません。

 実際、抜け毛の原因となる男性ホルモン抑制効果のあるプラセンタを、私はたくさんの方の頭皮に注射してみましたが、これは以下に紹介する「ハーグ療法」や「ヘアフィラー」と比較すると、かなり効果は低いと言わざるを得ません。

ハーグ療法

 プラセンタ注射は比較的昔から行われていましたが、それよりはるかに効果が高いのが、「ハーグカクテル」という毛母細胞成長因子を直接毛根に注射する方法です。

 以前より毛髪を培養して増やす研究が行われていますが、実用化はまだまだ困難な道半ばにあります。そこで、頭皮にまだ残っている毛根の中の髪をつくる毛母細胞を若返らせて、髪をつくる機能を復活させる方法が編み出されました。そのうちのひとつがハーグ療法です。幹細胞から150種類以上の成長因子を抽出しています。

機能性ペプチド(ヘアフィラー)

 毛母細胞を活性化させる成長因子を直接頭皮下に注入する療法には、ハーグ療法のほかにBENEV療法、メソラインヘア療法などがあります。私が試して最も効果があったのは、昨年まではハーグ療法でした。

 しかし、2017年からは『DR·CYJ』という「機能性ペプチド(ヘアフィラー)注射」に移行しました。これは毛包(髪をつくる工場)と頭皮細胞を活性化するために濃縮した7つのペプチド複合体が総合的に効果をもたらし、頭皮を再構築し、髪の再成長を促進するものです。私自身、ハーグ療法と機能性ペプチドを試してみましたが、機能性ペプチドのほうが効果をより実感しています。ハーグ療法で今ひとつの方も、機能性ペプチドで発毛しています。

薄毛は何よりも予防が大切!

 フィナステリド、ミノキシジル、プラセンタ、ハーグ療法、ヘアフィラー療法(機能性ペプチド)の中で、最も安全で効果も高いのはヘアフィラー療法です。

 しかし、かなり進んでしまった薄毛をフサフサにするには困難な場合も少なくありません。やはり、まだそれなりに毛があるうちからの予防が大切です。

 ミノキシジル外用はあまり効果的ではなく、内服は副作用も強いので予防には適しません。フィナステリドを早いうちから飲み始めるのも、副作用を考えると私は避けたいと思います。

 私は2016年までは、まだ髪がある時期から1年に1回のハーグ療法をオススメしてきました。それが一番安価で、安全かつ効果的な予防方法だと思っていたからです。

 しかし2017年になってから、ヘアフィラー療法を行うようになりました。この推移については後ほどじっくり述べていきたいと思います。

 頭の血流を良くすれば毛母細胞へは栄養や酸素が十分行き渡りますから、薄毛改善の手段となります。頭皮マッサージをすれば血流が良くなるイメージがありますが、それほど変化があるわけではない上、効果はその時限りです。血流を良くする漢方薬もありますが、薄毛を明らかに改善するほど毛母細胞を元気にする力はないと思います。血流を良くする成分が入った育毛剤やシャンプーも私は同じ程度だと思います。

 そんな中、唯一発毛させるほど毛母細胞を元気にするだけの血流量を実現させるのが「ミノキシジル」です。

 発毛薬に限らず、ほかの病気を治す薬が偶然違う症状に効いてしまったことから開発が進んだ薬はいろいろあるのですが、ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬でした。この薬を飲んでいた患者さんの毛髪や体毛が増えてきたことから、発毛薬として開発された薬なのです。

 この薬は血管を広げることにより血圧を下げますが、その作用により頭皮の血流も良くなり、毛包や毛母細胞にたくさんの栄養が供給されることで発毛します。

 またミノキシジルにはヘアサイクルの休止期にある毛髪を成長期に移行させる作用もあることがわかっています。

 繰り返しになりますが、ミノキシジル配合育毛剤は、1999年に大正製薬から『リアップ』の商品名で発売されました。このリアップが唯一発毛効果のある育毛剤であり、男性、女性とも使用できます。ミノキシジルが頭皮から経皮吸収されることによって毛母細胞の働きを高めてくれます。

 2009年には、配合パーセンテージを5倍にした『リアップⅩ5』も発売されました。テレビCMでも「発毛できる育毛剤はリアップだけ!」と言っていますが、本当にそのとおりなのです。

 私の印象としては、育毛剤としての効果はフィナステリド内服より落ちます。過度な期待は禁物ですが、抜け毛予防として使用すればストレスにはなりません。

 ただし、ミノキシジルは使い方によっては、フィナステリドと比較にならない高い発毛効果を発揮します。それは、育毛剤として外から塗るのではなく、内服した場合です。

 前述したように、ミノキシジルはもともとが動脈血管を拡張させて血圧を下げる薬ですから、心臓に負担がかかるなど、副作用が強い薬です。健康な人が飲めば必要以上に血圧が下がってしまいますし、全身の血管を広げるので動悸(どうき)やむくみ、さらに毛髪のみでなく全身の多毛も引き起こしてしまう恐れがあります。『リアップ』の注意書きに「高齢者(65歳以上の人)は使用前に医師または薬剤師に相談してください」とあるのは、それが理由です。

 ミノキシジルは飲む量が多いほど発毛効果も高いのですが、比例して副作用も強くなります。そのため、医師の厳重な管理の下でのなるべく少容量の内服が必要です。その理由からか、ミノキシジルはフィナステリドのように厚生労働省は国内販売を認可していませんので、処方する医師は海外から輸入しています。

 ここで問題になるのが、医者を通さずネットで個人輸入して使用することです。私の医院で現在は、後に述べる毛髪再生医療のハーグ療法を受けている方から以下のような体験談を聞きました。

ヨムトニック編集部からヒトコト!

いかがでしょうか。医療技術の進歩により、薄毛を完治させるための道筋も見えてきていることがわかります。ただ、その移り変わりも目まぐるしく、一般人がそうした薄毛治療の変遷を追いかけるのは難しそうですね。

いずれにせよ、治療を始めるのは早いほうがいい、ということは変わりません。もし少しでも不安を感じているなら、早めに専門家の治療を受けてみてください。

本書、「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」には、こういった薄毛治療に関する知識が幅広く解説されています。自身でも薄毛について勉強したい、という人は、ぜひ購入して全編に目を通してみてください。

この記事で引用した書籍の著者
荒浪暁彦

[経歴]

  • 皮膚科医・漢方医・美容皮膚科医
  • 日本皮膚科学会認定専門医
  • 慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師
  • 浜松医科大学漢方医学講座非常勤講師
  • 日本医療毛髪再生研究会所属
  • 日本抗加齢美容医療学会員

静岡と千葉に美容クリニックを展開。西洋医療と漢方を用いた東洋医療をミックスし、他院にないユニークな治療を実践している。漢方を用いた皮膚病治療を広めるため、日本各地で医師向けの講演会を実施するほか、美容関連書籍も執筆するなど、精力的に活動している。

公式サイト:http://www.bihada-clinic.com

著書

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

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