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最強の毛髪再生医療?ヘアフィラー療法とは

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

iPS細胞の発見により、再生医療の分野は目覚ましい発展を遂げています。しかしそれが育毛の領域で活用されるには、まだまだ時間が必要。そこで注目したいのが、ヘアフィラー療法という毛髪再生療法です。今回は、書籍「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」より、ヘアフィラー療法についての記述を一部抜粋して紹介します。

最強の毛髪再生医療「ヘアフィラー療法」

 再生医療の進歩により、人工皮膚をはじめ、さまざまな臓器の培養増殖が可能になりましたが、毛髪を培養して増やすことはまだ不可能です。それほど育毛·発毛というのは難しく、頭皮に何か振りかけたり、マッサージしたり、頭皮洗浄したりで対処できるものでは到底ありません。中には逆効果の場合すらあります。

 毛包を培養増殖できたらいいのにと思いますが、それはもうすぐ可能になるかもしれません。理研と京セラは、薄毛になりにくい後頭部から、毛包になる前の二種類の幹細胞を取り出して培養増殖させ、それを頭皮に戻して毛包を再生する技術を研究していて、2020年の実用化を目指しています。今後さらにさまざまな研究機関で、発毛技術の実用化が進んでいくでしょう。

 しかし、薄毛に悩まれている方にとって大事なのは今です。現在、最も効果のある最新医療は「機能性ペプチド(ヘアフィラー)注入療法」でしょう。

 私自身の頭でハーグ療法と最新の機能性ペプチド注射を試したところ、機能性ペプチドのほうが効いたため、今年2月からは機能性ペプチドをおすすめしています。

 とはいえ、これも毛髪をつくり出す工場である毛包が残ってないと効きません。自分の毛包を毛のない部位に植える「植毛」という手段はありますが、採取した部位は薄毛になってしまいます。

 また、見た目は髪の毛がなくても、よく頭皮を見てみると毛根がまだ残っている例はいくらでもあります。

 当院のような皮膚科の病院では、医療行為として永久脱毛を行う時、レーザーを使います。レーザーは皮膚の奥深くまで入って、奥の毛根を焼き切ることができるからです。エステの光脱毛では、それほど奥まで入らないので、永久脱毛(除毛)はできません。

 何が言いたいかというと、医療用のレーザーだけしか永久脱毛ができないくらい、実は毛根というのは強いものだということです。ですから薄毛になって毛がなくなったように見えても、毛根が死んでいるとは限りません。ただ、時間が経つと毛根が委縮していきますので、手遅れになる恐れもあります。

 こうしたことから、ハーグでもヘアフィラーでも、毛根が元気な若い人ほど効果があります。特に、子どものストレス性の脱毛などはすぐに生えてきます。

 つまり、薄毛になりはじめのほうがまだ毛根も生きていて、薄毛も回復する見込みも高いので、早期発見·早期治療が一番。ほかの病と一緒ですね。

 40代になっていよいよ薄毛が気になり出したというのであれば、まだまだ回復の余地はあるわけです。

「ヘアフィラー療法」の実際の治療方法

 真の発毛を実現するためには、毛をつくるために必要なさまざまなサイトカイン(免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質)を集めることが必要ですが、その指令を出す「機能性ペプチド」を毛母細胞に注射する発毛治療が、2016年10月より可能になりました。

「ヘアフィラー療法」とも呼ばれるこの治療は、通常、2~4週間に1回施術し、およそ4回で発毛してきます。

 当院では、漢方シャンプー、漢方サプリメントを併用し、独自のヘアフィラーの効果を高める電気ツボ刺激、さらに手打ち注射よりも痛みを減らして確実に注入する機械打ちにより、ヘアフィラー療法単独より効果を高めています。

 ヘアフィラー療法には、毛髪を生やすための細胞に直接的に働きかけるペプチドが配合されており、毛髪をつくる工場である毛包をつくり出します。それまでは唯一の発毛施術方法としてハーグ療法を用いてきましたが、当院では明らかにハーグ療法を上回る効果を確認しています。

 それでは、ヘアフィラー療法で用いる機能性ペプチドとはどんなものか、具体的にお知らせしましょう。

  • 頭皮に毛細血管を発生させ血流を良くする効果……オリゴペプチド、デカペプチド、オクタペプチド
  • 頭皮の細胞を刺激し、髪を新生させる効果……オリゴペプチド、デカペプチド、オクタペプチド
  • 発毛抑制因子、DKK1を減らす……オリゴペプチド
  • 活性酸素抑制、血流増加……オリゴペプチド、デカペプチド
  • 毛包、毛乳頭形成促進……オリゴペプチド、デカペプチド

 これらのペプチドタンパクが発毛阻害作用のあるものを防いだり、血流を良くしたりするので、それを頭皮に打つことによって、その作用で発毛するわけです。

 この治療は男女両方すべての脱毛症に効果があり、妊娠中または18歳未満の方以外は可能な安全な施術です。通常4回で発毛し、その後はやめてもフィナステリドやミノキシジルのように元に戻るようなことはありません。ただし、人により半年から数年に一度の維持施術が必要な場合があります。

 ヘアフィラー療法は、ハーグ療法のハーグカクテルの代わりに、ペプチド配合のヘアフィラーを注射で頭皮に細かくたくさん打っていくのですが、当院の患者さんの発毛ぶりを目の当たりにすると、ハーグ療法より明らかに効いていると実感できます。ちなみに、静岡県内では施術しているのはまだ当院だけです(2017年4月現在)。

ヘアフィラー療法のお金の話

 同じ機能性ペプチドを頭皮に注入しても施設により治療成績は異なります。その一因が注入技術の差です。毛根に的確に注入できなければ、最大限の効果を発揮できないからです。

 しかも、たとえ面倒でも、1本1㏄の量をなるべく多くの毛根に行き渡るように、細かくたくさん注入する必要があります。当院では最大限の効果を得るために、毛根と一致する深さで均等に注入する技術を使い、何百カ所にも注入しています。

 機能性ペプチドはもともと人体にあるものなので、副作用は今のところ報告されていません。

 まったく同じ機能性ペプチド(世界に一種しかありません)なのに、インフルエンザ注射と同じで、医院が利益をどれだけ取りたいかで値段が決まります。税引き1回1本約5万円から15万円と幅があります。当院では1回5万円(4回コースの場合)でやっていますが、たくさんの人に試してもらいたいという思いから、利益度外視で取り組んでいます。くわしくはホームページをご覧ください。

 よく勘違いされるので、お金のことについてもひとこと申し上げておきましょう。

 例えば、カツラは一回買ったら終わり、一方、医療だと何回も通院の必要があるので、最終的には医療のほうがお金がかかると思っている人が多いものです。

 しかし、実はカツラのほうがこまめに頭を剃る手間もかかる上に、汗臭くなって取り替えの必要が出てきたり、見た目を維持するためのメンテナンスが必要になったりするなど、買って終わりではなく、その後も継続してお金がかかります。

 当院にも、髪を編み込む増毛を試みたことがある患者さんがいました。話を聞いてみると、元の髪の毛がすぐに伸びてしまうので、すぐにまたサロンに行ってメンテナンスしなくてはならず、それなりのお金がかかると言ってました。それで、当院で術後のメンテが不要なヘアフィラー療法を受けることになったのです。

 ヘアフィラー療法は円形脱毛症にも効きます。遺伝性ではなく、免疫の機能の問題で自らの毛穴を攻撃することから毛穴が弱って毛が抜けているので、毛穴を元気にする機能性ペプチドは有効です。

 もちろん、ヘアフィラー療法でも効く人と効かない人がいます。私がこれまで見てきた中では一番良い発毛方法でも、正直に書きますが、まだ最高と言えるわけではありません。さすがにヘアフィラー療法を受けた皆が皆、ボウボウに生えてくるかというと、全頭脱毛のように頭部全体がツルツルになってしまい毛穴がなくなっている場合は、なかなか発毛は難しいのが実情です。

 また、使用前の写真と比べれば明らかに生えてくるのですが、やっている本人は「20年前に戻れる!」「フサフサになる」とすごく期待している場合もあるので、本人が満足するほど生えるかといえば、必ずしもそうとは言えません。結果的にクレームをいただくこともあります。鏡で毎日見てるとわからない程度の場合もあるからです。

 私のように、発毛に関わる医者の立場から言いますと、医学的にはプロペシア以外、2~3年前までは何にも打つ手がなかったわけで、ヘアフィラー療法は間違いなく、今現在の最強の治療法と言えるでしょう。すべての方に理解、納得、満足いただくのは難しいかもしれませんが、医師として、医学的根拠と確固たる成果のあるヘアフィラー療法をすすめていきたいと思います。

ヨムトニック編集部からヒトコト!

クリニックでの治療は高価、と考えがちですが、長年にわたり対策を行っていくと、トータルコストもかなりの金額になります。ポイントだけの金額だけにとらわれず、しっかりコストパフォーマンスを見極めたいところです。

本書、「最強!の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本」には、こういった育毛に関するお役立ち知識が幅広くまとめられています。もし興味がある人は、購入して全編に目を通してみてください。

この記事で引用した書籍の著者
荒浪暁彦

[経歴]

  • 皮膚科医・漢方医・美容皮膚科医
  • 日本皮膚科学会認定専門医
  • 慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師
  • 浜松医科大学漢方医学講座非常勤講師
  • 日本医療毛髪再生研究会所属
  • 日本抗加齢美容医療学会員

静岡と千葉に美容クリニックを展開。西洋医療と漢方を用いた東洋医療をミックスし、他院にないユニークな治療を実践している。漢方を用いた皮膚病治療を広めるため、日本各地で医師向けの講演会を実施するほか、美容関連書籍も執筆するなど、精力的に活動している。

公式サイト:http://www.bihada-clinic.com

著書

書籍「最強!の毛髪再生医療」の表紙

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