公開日 2018年1月30日
デュタステリドのよくある疑問·回答まとめ

デュタステリドとは
そもそもデュタステリドってどういうもの?
デュタステリドとは、AGA(=男性型脱毛症)の治療に使われる成分の名前です。
クリニックでは主に「ザガーロ」という薬名で処方されています。AGA治療薬の中ではもっとも新しいもので、これまで主流だったフィナステリド(薬名プロペシア)よりも優れた効果を発揮するものとして注目を集めています。
フィナステリドとおなじく、もともとは前立腺肥大症の薬として開発されていたものを、AGAに応用したという経緯があります。日本では、2009年にまず前立腺肥大症治療薬として承認され、2015年に、AGA治療薬として承認されました。
フィナステリド(=プロペシア)との違いは?
基本的な仕組みは同じなのですが、デュタステリドの効果はフィナステリドの3倍にもなるとされています。
フィナステリドとデュタステリドの作用を説明する前に、AGAが引き起こされる仕組みを簡単に解説します。
AGAは、男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の影響でジヒドロテストステロンに変化し、さらにジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容器と結合して、TGF-βという脱毛因子を作り出すことで引き起こされます。
ちょっとややこしいのですが、テストステロンが2段階の変身を経て脱毛を引き起こすイメージです。
フィナステリドとデュタステリドの作用は、この内の最初の変身、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変化を抑制する、というものです。
違いは変化の原因になる5αリダクターゼへの作用
テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するには、5αリダクターゼという酵素のはたらきが必要です。
じつはこの5αリダクターゼには、1型と2型の2つの種類があり、フィナステリドが作用するのはこのうちの2型のみ。一方のデュタステリドは、1型と2型の両方に作用するとされています。
AGAに強く影響するのは2型であるため、フィナステリドもAGA治療薬としては十分な機能を持っています。ただ、1型の5αリダクターゼの影響もゼロではないため、2つの種類を同時に抑制できるデュタステリドの方が、フィナステリドよりも高い効果が見込めるわけです。
どういう種類がある?
デュタステリド、という成分は1つですが、デュタステリドを主成分とする薬には、いくつかの種類があります。
- ザガーロ…グラクソ·スミスクライン社が製造·販売している服用薬です。0.1mg、0.5mgの2つの種類があります。
- アボルブ…こちらも同じくグラクソ·スミスクライン社が製造販売している服用薬です。実は、中身はまったく同じもの。アボルブは前立腺肥大症の薬、ザガーロはAGAの薬、という名目で販売されていますが、アボルブをAGA治療薬として処方しているクリニックもあり、その区別は曖昧です。
- デュタス…インドの企業が製造·販売している、アボルブのジェネリックです。
- デュプロスト…こちらもインドのシプラ社が製造·販売しているアボルブのジェネリックです。
デュタステリドの開発元であるグラクソ·スミスクライン社の製品以外の後発品、とくに海外から個人輸入されるような製品の中には、偽物も存在します。
個人輸入の方が価格が安いため、コストを抑えるために通販サイトなどを通して購入する人も少なくありません。しかし、ただでさえ副作用の懸念がある薬ですから、少なくとも最初は、専門医に処方してもらうことをおすすめします。
デュタステリとデュタスライドの違いは?
読み方の違いです。両方とも同じ成分を指しています。
たとえばツイッターをトゥイッターと言ったり、コップをカップと言ったり、同じものを指すのに2つの発音をするものってけっこうありますよね。デュタステリドとデュタスライドの違いも、それと同じです。
効果·使い方について
どういう効果がある?
AGAによる脱毛を抑える効果があります。
デュタステリドには、テストステロンがジヒドロテストステロンになるのを阻害し、脱毛因子が作られないようにするという効果があります。
具体的には、生え際·前頭部·頭頂部といった部位の脱毛を予防してくれます。発毛を促すわけではないのですが、AGAによって乱れたヘアサイクルが元に戻り、髪が薄くなる前の状態に近づけることができます。
100%効果が見込める、というものではありませんが、厚生労働省にも効果が認められている成分であり、AGAに対して高い効果が期待できることは間違いありません。
効果に根拠はある?
デュタステリドは、厚生労働省に認可されている、現在(2018年1月)最新のAGA治療薬です。
デュタステリドは、2015年の9月に、AGA治療薬として厚生労働省に認可されました。
AGAの治療薬としては、血管拡張によって発毛を促すミノキシジル、脱毛因子を作り出すジヒドロテストステロンの産生を阻害するフィナステリド(商品名はプロペシア/ファイザー※プロペシアのジェネリック製品)の2つが主流でした。現在は、これにデュタステリドを加えた3つが、AGAの代表的な治療薬となっています。
厚生労働省に認可されるにあたって、副作用や耐性試験なども厳密に行われており、効果·安全性ともに根拠のある発毛成分であることは確かと言えます。
効果がない人もいる?
デュタステリドを飲んでいても、効果が出ないというケースはあり得ます。考えられる可能性は、以下の通りです。
体質的に効果が出にくい
デュタステリドは効果の高いAGA治療薬ですが、残念ながら一部の人には効果が見込めません。一説には10人に1人は、デュタステリドが効きにくい体質であるとも言われています。
また、デュタステリドに限った話ではありませんが、効果が出過ぎたあまり、身体がびっくりして効果が出にくくなってしまっているということも考えられます。心理的な影響が身体に出てしまうという比較的珍しいケースですが、可能性の1つとしては知っておきたいところです。
AGAではない
デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)に効果が見込める成分です。
もし当人の薄毛がAGAではない場合、効果は見込めません。
飲み始めて間がない
どのような薄毛対策でも、対策を始めてすぐに効果がでるということはありません。
髪の毛にはヘアサイクルというものがあり、成長の準備をしている段階のものや、成長途中のもの、すでに成長が終わって、抜けるのを待っているものなど、1本1本段階が違います。薄毛対策の効果がもっとも見込めるのは、成長の準備段階にあるもの。
目に見える効果が出るまでには、まだ生えていないか、成長を始めたばかりの毛が十分に育つのを待つ必要があります。
行った薄毛対策の効果を見極めるためには、短くとも半年程度は続けることが求められます。
偽物を飲んでいる
クリニックで処方されたものであれば心配はありませんが、個人輸入などで独自に購入した製品の場合、偽物である可能性があります。
たとえデュタステリドが含まれていても、混ざり物があったり濃度が低かったり、十分な効果が見込めないものかもしれません。もしそうした製品に心当たりがある場合は、早めにクリニックなどに相談されてみることをおすすめします。
副作用はない?
数は多くありますせんが、デュタステリドには、いくつかの副作用が確認されています。頻度不明のものも含めて、報告されている症状は以下の通りです。
<デュタステリドの副作用とされる症状>
- 肝機能障害
- 黄疸
- 勃起不全
- 性欲の減退
- 精液の減少
- 鼻咽頭炎
致命的な副作用、というものはありませんが、糖尿病や脂質異常症(血中の脂質が増えてさまざまな病気が起こりやすくなっている状態)、脂肪肝といった疾患のリスクが高まる、というような報告もあり、しっかり検査を行い、医師の指導に沿って飲用していくことが推奨されています。
飲み始めた場合、どのくらいで効果が出る?
個人差が大きいため具体的な期間を提示することはできませんが、多くのクリニックでは薄毛改善を実感するまでに短くとも半年程度は掛かると説明されています。
もちろんデュタステリドと併せてどういう対策をしていくかや、その対策をきちんと実践できるか。また、そもそもの飲むデュタステリドの濃度などによっても、効果の出方は変わってくるでしょう。
より正確な見込み期間が知りたい場合は、クリニックで検査·診察を受けられることをおすすめします。
飲み続けていて耐性ができる(効果がなくなる)ことはある?
現在のところ、デュタステリドの耐性ができるというケースは確認されていないようです。
もちろん100%というわけではありませんが、耐性ができて薬が効かなくなるという心配はしなくてもよいでしょう。
ただ、耐性ができる可能性は低くとも、薬の力をAGAの進行が上回ってしまう、ということは考えられます。薬はきちんと効果を発揮しているのに、見かけ上は、効果が出ていないように見えてしまう、というわけです。
こうしたリスクを抑えるためにも、薬の服用と併せて生活習慣の改善を図るなど、薄毛の原因になりそうな項目を一つずつ取り除いていくことをおすすめします。
女性も使える?
女性が飲用することはできません。
たとえ飲んだとしても、脱毛への効果は見込めないことでしょう。
また、妊娠中にデュタステリドやフィナステリドといった、5αリダクターゼの作用を邪魔する薬を飲んでしまうと、胎児に好ましくない影響を与えてしまうことが分かっています。
こうした薬は肌からも吸収されるため、とくに妊娠中の女性は、なるべく近くに置かないようにしたほうが無難です。
現在、薄毛対策クリニックで処方されているのは主に男性向けの薬です。ただ、女性向けの薬が存在しないかというと、そういうわけでもありません。
ミノキシジル(外用薬)や、最近注目を集めるパントガールといった薬剤は、女性の薄毛(主にFAGA)にも、効果が見込めるとされています。もしクリニックで何らかの薬を処方してもらおうと考えているなら、こういった薬剤を扱っているところを中心に探されてみるとよいでしょう。
男性ならだれでも使える?
20歳未満の場合は、処方してもらえません。また、飲んでも十分な効果が期待できない可能性があります。
ほか、肝機能障害等、何らかの疾患により肝機能が衰えている場合は、飲用することはできません。ほか、アレルギーなどによって、飲用が制限されることがあります。
副作用の可能性がある成分ですから、きちんと医師による検査·問診を経た上で飲用することが大切です。
途中で使うのをやめたらどうなる?
デュタステリドに限らず、薬頼みで育毛対策をしている場合は、服用を中断した段階で再び症状が進んでいきます。
AGA薬というのは、根本的にAGAを治療する、というものではありません。服用を始めて毛が増えることはありますが、薬の服用と併せて薄毛の根本的な原因を取り除いていかないと、薬を中断した段階で再び脱毛症は進行していきます。
薄毛の原因は人によってさまざまですが、多くの場合、生活習慣の乱れが関係しています。AGA治療では、薬の服用と併せて、医師に生活習慣などの指導もしてもらうのが一般的です。
薬を飲む、飲まないは自由ですが、独断で中断する前に、まずは処方してくれたドクターに相談されてみることをおすすめします。
ミノキシジルと併用することはできる?
デュタステリドとミノキシジルは併用が可能です。
ミノキシジルは、頭皮の血行を促進して発毛を促すという成分。一方のデュタステリドは、5αリダクターゼという酵素のはたらきを阻害して、ジヒドロテストステロンという、脱毛因子を作り出すホルモンの産生を抑えるという成分です。
別のアプローチでAGAに作用するため、併用することが可能。むしろ併用することで、より高い効果を期待することができます。
デュタステリドとフィナステリドを一緒に飲んだらどうなる?
フィナステリドを毎日服用しつつ、週一でデュタステリドを服用した方が、フィナステリド単体を服用していた時よりも効果が高かった、という報告があります。
ただ、単体ですでにデュタステリドの方が効果が高いわけですから、フィナステリドとデュタステリドを併用する意味はあまりないでしょう。クリニックなどの解説を見てみても、フィナステリドとデュタステリドを併用している、というような事例は確認できませんでした。
費用相場や購入する場所について
相場はいくらくらい?
購入する製品にもよりますが、概ね1万円前後というのが相場です。
中には初診料無料というクリニックもありますが、基本的には薬代+数千円の初診料、検査料等が掛かることが多いです。
ちなみにですが、先にも少し触れたジェネリック品(現在のところは個人輸入で手に入れることができる製品)は、この3分の1程度の値段で購入することができます。AGA薬は長く続けるものですから、可能な限りコストを抑えたいというのは人情でしょう。
しかし、こうした製品は、万が一なにかあったときに個人の責任になってしまいます。無用なリスクを避けるためにも、医師に処方してもらうことをおすすめします。
どこで買える?
AGAの専門クリニックや、皮膚科クリニックなどで処方してもらうことができます。
処方にあたっては、まずカウンセリングや問診を受け、その薄毛がAGAかどうかをまず判断します。場合によっては遺伝子検査などを行い、万全を期すクリニックもあります。
その後は、生活習慣などに潜む薄毛の原因となりそうな要因、たとえば偏った栄養生活や睡眠不足などを改善する指導を受けながら、AGA薬を服用していくのが一般的です。
薬と併せて行いたいその他の対策
食事で気を付けるポイントは?
一般的に言われる、栄養バランスのいいメニューを心がけてみてください。
髪の毛というのは、根本で毛細血管と繋がっていて、血液から栄養を得て成長していきます。そのため、栄養素を運ぶための血流が悪化したり、栄養素自体が足りなかったりすると、十分に育つことができません。当たり前のことですが、ほかの臓器と同じように、髪の毛も食べたものを元に作られるのです。
髪の毛や頭皮の健康を維持するためには、血管に負担の掛かる塩分濃度の高い食事や、血液をドロドロにする高脂質·高コレステロールの食事を摂るのは、なるべく控えた方が無難です。また、極端に偏った食事内容というのもNGです。
なるべく多くの食材から、バランスよく栄養素を摂取していくのが理想です。またその際は、以下のような髪の材料となる栄養素を意識して摂るように心がけてみてください。
<髪を作る栄養素>
- タンパク質
髪の毛の主成分であるケラチンは、タンパク質から作られます。タンパク質には、お肉などから摂れる動物性タンパク質と、大豆などから摂れる植物性タンパク質の2つがあります。どちらからも摂取できるのですが、なるべくなら植物性のタンパク質を意識して食べられることをおすすめします。動物性タンパク質は脂が多かったり、調理の段階で加えられる塩分量が多かったり、摂り過ぎるとマイナスにはたらく恐れがあるためです。 - ミネラル
髪の毛の主成分はケラチンですが、ケラチンを合成するためにはミネラルが欠かせません。とくに亜鉛は、髪を作るのに重要な役割を果たしているにも関わらず、現代人、とくに男性は不足傾向にあります。成人男性の亜鉛の1日の摂取目安量は、9mgとされています。多すぎると健康面に悪影響がありますので注意が必要ですが、少なくとも摂取目安量程度は摂取しておきたいところです。 - ビタミン
身体の抗酸化力を支えるビタミン。たくさんの種類がありますが、とくにビタミンB群は、血行を促進したり、細胞の代謝を促したり、頭皮·髪の毛の成長を支える重要な役割を果たしています。ビタミン類はとくに緑黄色野菜に多く含まれていますから、こちらも意識して多く摂り入れていきましょう。
薄毛を進行させる大きな原因は、髪の栄養不足とホルモンバランスの乱れです。両方とも、日ごろの食事内容によってある程度は回避できるものです。
もし食生活が乱れているという自覚があるようなら、たかが食べ物、と軽く見ずに、できる範囲で少しずつでも改善されていくことをおすすめします。
最近は、髪にいい栄養素を手軽に補給できるサプリメントなどもありますから、そうした製品を使うのとも手です。育毛も、小さなことからコツコツと、が大切です。
海藻類を食べると髪にいい、というのは本当?
直接的な効果は確認されていません。しかし、間接的に好影響をもたらす可能性はあります。
ワカメや昆布と言った海藻を食べると、髪が艶やかになったり、コシが出てくる、というような説がありますが、科学的な根拠は、少なくとも当編集部が調査した限りでは確認されていません。
ただ、海藻類が健康食であるという事実は間違いなく、乱れていた食生活に海藻を取り入れることで、それまでよりも健康状態が改善する、という可能性はあります。
海藻類には、フコイダンやアルギニン、フコキサンチンといった健康成分がたっぷり含まれています。フコイダンとアルギニンは、粘り成分としてお馴染みの水溶性の食物繊維。これらには糖や脂肪の吸収を抑えたり、腸の活動を活発にして免疫力向上をサポートしたりといった幅広い健康効果があるとされています。
また、フコキサンチンも、アンチエイジングや抗腫瘍に効果が認められている健康成分。
こうした健康成分を日常的に摂り入れることで身体全体の機能が底上げされ、結果的に髪や肌を若々しく保つことができる、という可能性は、考えられないことではありません。
運動は行った方が良い?
ハードな運動をする必要はありませんが、適度な運動は髪の成長にプラスの影響を与えます。
運動と髪の毛というのは一見するとあまり関係ないようにも思えるかもしれません。しかし、運動というのは身体の健康を支える重要な活動の1つです。
近年の研究では、運動によって適度な刺激を骨に与えることで、若さを司るオステオポンチンというホルモンが分泌されることが明らかになってきています。いつも使っているエレベーターを階段に変える、というようなささいなことでも構いませんから、少しずつでも運動を習慣化していきましょう。
髪のためにはどのくらいの睡眠時間が理想?
最適な睡眠時間というのは個人差があり、一概には言えません。どちらかと言えば、長さより質を重視されることをおすすめします。
これまで、髪の成長を促すホルモンは、夜の10時から深夜2時頃までの間に分泌されると言われていました。日中受けたダメージを回復しつつ、新たな細胞を積極的に作り出す重要な時間であり、この時間帯を指してゴールデンタイムと呼ぶ向きもあります。
ただ、最近の研究では、眠る時間帯ではなく、入眠後の3時間がいわゆるゴールデンタイムにあたるのではないかという事実が明らかになってきています。入眠後の3時間に質の高い睡眠、つまり熟睡できるかどうかが、身体の調子を整える上で重要なのではないかと言うのです。
重要なのは深夜0時までに眠ること
では、質の高い睡眠を取るにはどうすればよいのでしょうか。
質の高い睡眠を取るためには、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンについて知っておく必要があります。人の身体は、起床から12~16時間が経過すると眠気を覚えるようにできています。この眠気を呼び起こすのが、メラトニンと呼ばれるホルモンです。
日光で朝であることを認識した身体は、そこから12~16時間経過した後にメラトニンを分泌し始めます。このメラトニンが増えるのに合わせて睡眠を取れば、熟睡できるとされています。
注意したいのは、メラトニンの分泌量が深夜3時頃から朝にかけて少しずつ減っていくということ。これは覚醒の準備をするための仕組みなのですが、もしこの時間帯に眠る習慣がついているようだと、十分に熟睡できていない可能性があります。
ホルモンの力が活発にはたらくのは入眠後の3時間ですから、質の高い睡眠を取るためには、おそくとも0時までには就寝しておきたいところです。
やっぱりストレスは溜めない方がいい?
髪のためにも身体のためにも、ストレスは溜めない方が良いです。
人の身体は、ストレスを受けるとコルチゾールというホルモンを分泌します。コルチゾールは、炭水化物や脂肪などの代謝をコントロールする重要なホルモンなのですが、体内で増えすぎると、さまざまな悪影響を及ぼします。
その中には、血行不良だったりホルモンバランスの乱れだったり、髪の成長を阻害するもの含まれています。
適度なストレスであれば問題にはなりませんが、ずっと不安が付きまとっているようなら要注意。なるべく意識してストレスケアをするようにしてください。
お笑い番組などでただ笑う、というだけでも構いません。少しでも心身をストレス状態から切り離すことが大切です。
薄毛家系の場合、ハゲが遺伝するのは避けられない?
薄毛遺伝子を受け継ぐのは避けられないかもしれませんが、ハゲるかどうかはわかりません。
遺伝というと避けられないものに思えるかもしれませんが、実は遺伝で薄毛になっている人は少数派です。
薄毛遺伝子というものは確かにあります。しかし、遺伝子には後天的に修飾される性質があるため、生活習慣や育つ環境などによっては、薄毛の発現を抑えることができる可能性もあるのです。
気を付けなければならないのは、生活習慣。家系に薄毛の人が多い場合、もしかしたら薄毛になりやすい生活習慣を知らないうちに続けてしまっている可能性があります。
もちろん、遺伝の影響が強すぎる場合は、生活習慣を変えても結果は変わらないかもしれません。最近はクリニックなどで薄毛遺伝子の有無を検査してもらうことができますから、もし事実を知って早めに対策を考えたい、という方は、専門クリニックに相談されてみることをおすすめします。
お酒やたばこはやめたほうがいいのでしょうか。
お酒は、適度な範囲であれば問題はないでしょう。しかしタバコはやめた方がよいです。
アルコールには血行を促す作用もあり、適度な量の飲酒であれば髪·身体に大きな悪影響はありません。一方タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる作用があります。
髪もほかの臓器と同じように毛細血管から栄養を得て成長していきますから、栄養供給を邪魔する要因は取り除いていった方が無難でしょう。
禁煙が極端なストレスになってしまう場合は考えものですが、できる範囲で少しずつでも量を減らしていくことをおすすめします。
育毛剤って意味ある?
製品によってさまざますが、意味はあります。
頭皮環境を整えるものや、髪に必要な栄養素を届けるものなど、一口に育毛剤と言っても、頭皮や髪へのアプローチ方法はさまざまです。
もちろん薬ではないため単体で髪を生やす力はないですが、薄毛の原因に応じてその他の対策方法と併せて使っていけば、無意味ということはありません。
育毛サプリって効果ある?
サプリメント自体に毛を生やす効果はありません。あくまでも不足している栄養素の補給をサポートしてくれるだけです。
薬のような形をしているため、サプリメントを飲むことが育毛に繋がる、というイメージを持っている人も少なくありません。しかしサプリメントは、あくまでも栄養成分やその他健康成分を抽出したものです。デュタステリドのように国に発毛効果が認められている成分とは全くの別ものです。
偏った食生活を送っているなど、食事とは別に手軽に栄養素を補給する方法としてはいいですが、サプリメントを飲むだけでは、薄毛改善にはつながらないのです。
対策するのが遅すぎて、効果が出ないことはある?
人によるため、効果の有無は何とも言えません。ただ同じ状況であれば、早く対策した方がその分早く効果が見込めます。
AGAは症状であって病気ではないのですが、多くの病気と同じように、早めの対策が大切です。症状が進めば進むほど、回復するのに時間が掛かってしまうからです。
薄毛が改善するにはただでさえ時間が掛かりますから、思い立ったタイミングで対策を始められることをおすすめします。
そもそも対策した方がいい薄毛ってどういうもの?
薄毛は命に関わるものではありませんので、本人がとくに気にならなければ、無理に対策を考える必要はありません。
少しイヤな話ですが、薄毛は中傷の対象になりやすく、また印象の面でも先入観を与えてしまいがちです。そのため、何らかの対策を考える人が少なくありません。
しかし、自身の薄毛を受け入れ、上手に付き合っている人もたくさんいます。本人に抵抗がなければ、無理にお金や手間を掛けて対策をすることはないでしょう。