公開日 2017年12月30日
薄毛診断にかんするよくある疑問·回答まとめ

目次
薄毛診断にかんするギモン
薄毛をセルフチェックする方法はある?
薄毛の原因として最も多いAGAの特徴に自分がどの程度当てはまるかチェックする方法があります。
以下の項目の該当数が多いほどAGAの可能性が高いです。
- 前頭部、頭頂部のどちらか(または両方)の部位が薄くなっている
- 両親·祖父母に薄毛の人がいる
- 皮脂の分泌が多く頭皮が脂っぽい
- 洗髪後や朝起きた時に大量の抜け毛がある
- 一気にではなく徐々に薄くなっている
- 入浴後に地肌が透けて見える
- 薄毛が気になり始めたのは成人以降だ
将来的なハゲ方は診断できる?
すでに薄毛の自覚がある場合は、どこから進行しているかをチェックすることである程度はその後の進行パターンが判断できます。
- M型(額の生え際)…額の生え際の剃りこみ部分から薄毛が進行していくパターンです。将来頭頂部も薄くなって最終的にはつながる可能性があります。
- U型(前頭部)…日本人が最も多いパターンで、前頭部からだんだんと薄くなっていきます。最初はおでこが広くなり気がつくと頭頂部も含めハゲ上がっています。
- O型(頭頂部)…頭頂部のつむじのあたりから薄毛が進行していくパターンです。初期は前頭部の髪があるので気がつきにくいですが、上部から頭を確認すると地肌が透けて見えます。
自分が薄毛だと思い込んでしまうケースがあるって本当?
薄毛に対する感じ方に個人差があるため、客観的には健常毛にも関わらず薄毛になったと勘違いしてしまう人はいます。
人には春と秋の2回抜け毛が増える時期がありますが、その際に普段より多い抜け毛に悩む人も多くいます。
薄毛治療クリニックに相談に来る人の3割が思い込みというデータもあり、問題なのは1人で悩んで精神的に落ち込んでしまうことです。不確かな情報や自己判断は勘違いのもとなので、まずは医師の診断を受けることが重要です。
自分がAGAかどうか、確実に診断する方法は?
将来ハゲるかどうか気になる、自分の薄毛がAGAかどうか知りたい、という場合は、遺伝子検査を受けられることをおすすめします。
100%確実というわけではありませんが、男性ホルモンの感受性に関する遺伝子を調べてAGAを発症しやすい体質かどうかが診断できるからです。
口内の粘膜を採取するだけなので時間はかかりませんし、遺伝子情報は変わることがないので何度も検査を受ける必要もありません。但しあくまでAGA発症リスクを判定するだけで、発症する要因には様々あることも理解しておくことが重要です。
治療について
薄毛と診断された場合、どういう治療が考えられる?
大多数の薄毛の原因であるAGA(FAGA)の治療については日本皮膚科学会が2010年に男性型脱毛症診療ガイドラインを作成しました。その中に記載されている治療方法を簡単に紹介します。
ミノキシジル外用薬(男女とも推奨度A)
ミノキシジルには血管拡張作用と毛細血管の増設作用により血流を改善する効果があり、毛母細胞に直接作用して細胞分裂を活性化させて発毛を促すとされています。外用薬には一般医薬品として販売されているものもあります。
ガイドラインでは実際に行った24ヶ月間の長期試験の結果をもとに、男性のミノキシジル外用に関しては濃度が高い方が効果があるとし、男性に対しては5%、女性に対しては1%のミノキシジル外用液を治療の第一選択薬として奨励しています。
育毛剤(男女とも推奨度C1)
推奨度は高くありませんが育毛剤に含まれる成分の中で、治療ガイドラインの中に記載のあるものは以下の通りです。
- t-フラバノン…花王が開発した育毛有効成分でヘアサイクルを短くするTGF-βの活性化を抑制する効果があるとされます。ガイドラインでは有用なエビデンスが少ないながら副作用の軽さから外用療法の1つとして推奨しています。
- アデノシン…毛乳頭細胞に直接働きかける発毛促進因子のFGF-7を数多く産生して育毛効果を得る成分です。ガイドラインでは発毛効果の有効性を示す根拠は少ないながら副作用の軽さから外用療法の1つとして推奨しています。
- サイトプリン·ペンタデカン…BMPとエフリンという2つの成長因子を増殖させる効果があるのがサイトプリン、髪のたんぱく質を合成する際に必要なエネルギーを補助するのがペンタデカンです。ガイドラインでは有効性を示すエビデンスが少ないとしながらも、外用療法の1つとして推奨しています。
- セファランチン…中国では古くから円形脱毛症治療に用いられていましたが、血管拡張作用があることからAGA治療への効果も期待されるようになりました。ガイドラインでは外用の有益性が実証されていないことから使用は推奨していません。
- ケトコナゾール…抗真菌薬として利用され漏性皮膚炎の改善に用いられますが近年は脱毛の抑制に効果があるとされています。ガイドラインでは外用で複数の発毛効果に関する根拠が認められたため、女性に対しては不明としながら男性に対する外用療法の1つとして推奨しています。
フィナステリド内服(男性は推奨度A/女性は推奨度D)
薄毛の原因物質である活性化した男性ホルモンの生成を抑制することで改善効果を発揮する成分です。医薬品としての使用が認められておりプロペシアやフィンペシアという名称で医師が処方する内服薬のみがあり外用薬はありません。
ガイドラインでは男性に対しては98%に不変以上の効果があったと認められるため内服療法の第一選択薬として強く推奨していますが、女性に対しては更年期以降は無効なのと胎児への副作用があることから禁忌としています。
植毛手術(男女とも、自毛であれば推奨度B/人工毛であれば推奨度D)
植毛手術には合成繊維の人工毛を植える人工毛植毛と自分の毛を植える自毛植毛の2種類があります。以前は人工毛植毛が広く用いられていましたが、現在では定着率の高さやメンテナンスが不要であることから自毛植毛が主流となっています。
ガイドラインでは自毛植毛はフィナステリド内服やミノキシジル外用で十分な効果が得られなかった場合、十分な技術を持つ医師による手術について推奨しています。人工毛植毛は過去に多くの健康被害の報告があることから行わないことを勧めています。