公開日 2017年11月26日
植毛についてのよくある疑問・回答まとめ

目次
施術についての疑問
植毛ってどういう施術?
植毛とは毛髪を頭部の増やしたい部分に植えることを言います。
人工的に合成繊維で造られた人工毛を植える人工毛植毛と自分の毛を植える自毛植毛の2種類があり、どちらの施術も外科的な医療行為になります。
以前は人工毛植毛が一般的でしたが、現在では技術の進歩と定着率の高さから植毛というと自毛植毛が行われるのが主流になっています。
人工毛植毛は抜け落ちた場合は追加施術が必要になりますが、自毛植毛は定着すればまた生えてくるのでメンテナンスが不要です。ただ自毛植毛は移植するだけの自毛があることが前提で、傷跡が残ったり、一回で植毛できる量が限りがあるなど制限を受けます。
どこで施術を受ける?
植毛は医療行為ですから医療資格のある美容外科クリニックや植毛を専門とする医療機関でないと受けることができません。
また最近ではAGA治療病院でも手術を行っていることもあります。
この中で最もおすすめできるのは経験豊富で症例数が多い植毛専門のクリニックです。美容外科クリニックは外科手術については大丈夫ですが毛髪にあまり詳しくない可能性があり、AGA治療病院は内科的な知識や育毛·増毛については詳しいですが、外科手術の実績は少ないことが多いからです。
どういう種類がある?
植毛には人工的な合成繊維を植える人工植毛と自毛を移植する自毛植毛の2種類があります。
植毛を検討する場合はそれぞれの特徴をしっかり理解しておくことが必要です。
人工植毛
人工植毛はポリエステルやナイロンなどの合成繊維で作られた人工毛を植えます。植毛に使用する人工毛の本数や長さは自由に決めることができるので思い通りのヘアスタイルを実現することができるのが特徴です。
その一方で体にとっては異物を埋め込むことになるため免疫反応で抜けやすくなったり、付け根部分で切れて埋まってしまうと炎症を起こすなどトラブルが起こりやすい性質があります。また抜け落ちた毛は元に戻らないので追加植毛を行うなどメンテナンスが続くことになります。
自毛植毛
自毛植毛は男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部や側頭部にある自分の毛を薄くなった部分に移植する方法です。植毛した部分が定着すれば抜け落ちてもまた生えてくるのでメンテナンスをする必要がありません。
自身の毛髪を移植するので人工植毛のように免疫反応が起きることはありませんが、完全に定着して植毛効果を実感するまでに1年近くかかります。また一度にできる植毛の量は限りがあるので分けて植毛を行ったり、手術法によっては傷跡が残ることもあります。
痛くない?
植毛の手術の際は麻酔を使用するのでほとんど痛みを感じることはありませんが、術後は痛みがあります。
人工植毛では拒絶反応で腫れや痛みが出ます。自毛植毛ではドナーを採取した後頭部や移植した生え際や前頭部、頭頂部などが痛みます。
特に後頭部に痛みを感じる人が多く、麻酔が切れると腫れたり炎症を起こすこともあります。また術後3日間くらいは枕とこすれると痛みます。移植先については後頭部ほどではないですが腫れたり痛みが出ることがあります。また麻酔の副作用でまぶたが腫れて痛みが出ることもあります。
頭皮へのダメージは?
人工植毛か自毛植毛かで頭皮へのダメージは変わってきます。
人工植毛はナイロンやポリエステルなどの合成繊維を植えることになるため頭皮へのダメージは非常に大きいです。異物として頭皮が拒絶反応を起こすと腫れや炎症を引き起こすのでアメリカでは法律で禁止されているくらいです。
自毛植毛は頭皮が異常反応を起こすことはありません。全くダメージがないことはありませんが赤くなっていてもやがて引いていきます。但し、手術後にしっかりケアしておかないと傷口から雑菌が侵入して化膿することがあります。
副作用はない?
自毛植毛であれば人工植毛のような拒絶反応は起きませんが、副作用が全く無いわけではありません。
但し、ほとんどが一時的な症状なのでそれほど心配する必要はありません。
まず植毛直後は痛みや出血、赤み·かさぶたなどが見られますが時間の経過とともに引いていきます。植毛して数日後にかゆみやしゃっくり、麻酔薬の影響でまぶたや額が腫れることがあります。
さらに数カ月経って軽い感染症を起こすことがありますが内服薬で治ります。その他、ドナー採取部の周りが一時的に毛が抜けることがありますが、これも5カ月~1年後には元に戻ります。
見た目は自然?
仕上がりが自然かどうかは施術者の技術が大きく関わってきます。見た目は気にせずに、とにかく植毛するだけといった考え方のクリニックでは、特に生え際が不自然に見えてしまうことはあるでしょう。
要望に合わせて植毛をデザインするといったクリニックでは自然さを演出するためのテクニックを持っています。生え際に密度差が出ないようにあえて不規則なホールを作ったり、髪の生える方向までコントロールしながら植毛するなど、常に自然に見せるための研究を続けているかどうかがポイントです。
年齢制限などはある?
植毛には年齢制限はなく基本的にはどの年代でも受けることが可能です。
ただ、注意したいのは植毛は薄毛を完全にストップするための治療法ではないということです。自毛植毛をしたとしても薄毛全体の進行は抑えることはできません。
また薄毛の原因の特定ができていない若い年代のうちは別の治療法の方が効果的なケースもあります。それほど進行していないのであれば一般的なAGA治療をしてからでも遅くはありません。
逆に薄毛が進行し過ぎてしまっている場合は植毛を行うのが難しくなります。薄毛の範囲が広いと複数回手術が必要などリスクが高くなりますし、自毛植毛の場合は健康な状態の移植元があって初めて成り立つものだからです。
費用についての疑問
費用相場はどのくらい?【自毛植毛の場合】
クリニックや採用している植毛の施術法によって費用は変わります。
メスを使用して切開するFUT法よりもメスを使わずに毛包を採取し移植するFUE法の方が費用は高くなります。髪の毛2500本前後で部分的な植毛を生え際や頭頂部に行う1000グラフトという単位で比較してみましょう。
FUT法なら70万円前後で高くても100万円を超えない程度です。FUE法の場合は150万円前後と確実に100万円を超えてきます。後頭部を刈り上げない最新のFUE法では200万以上かかることも覚悟したほうがよいでしょう。
費用相場はどのくらい?【人工植毛の場合】
人工植毛は自毛を移植するわけではないので、単純に植毛する本数で費用が決まります。
現在は植毛針を使う施術法が採用されていますが、費用はクリニックによって変わります。
自毛植毛を行う時に使われる1000グラフト(2500本前後)をベースにすると安いところでも35万円前後、高いところで70万円前後なので100万円は超えることはないでしょう。注意したいのは人工植毛は抜けるので、その後も定期的にメンテナンス費用がかかるということです。
施術後についての疑問
痒くならない?
自毛植毛を行うと頭皮を傷つけてかさぶたができるので手術後の痒みは避けて通れません。
特にメスを使用するFUT法はかさぶたの量が多く、パンチを使ってくり抜くFUE法も目立たないですがかさぶたはできます。
かさぶたを掻いてしまうと出血して移植した毛が定着しなくなる可能性もあります。痒みを軽減するのは普段からこまめにシャンプーをして毛穴を清潔にしておくことが重要です。どうしても痒みが我慢できない場合は、クリニックでかゆみ止めの薬を処方してもらいましょう。
普段のヘアケアはどうすればいい?
自毛植毛の場合、毛根はおよそ1週間で定着するので、それまではできるだけシャンプーは使わずにお湯で洗い流す程度にします。
温度はぬるめでシャワーが植毛部分に直接当たらないように気をつけます。
術後1週間を過ぎる頃には傷跡もかさぶたになってくるので、シャンプーを使っても問題はありません。お湯も通常の温度で大丈夫ですが、あまり強く洗髪して無理やりかさぶたを落とすようなことをせずに指の腹でやさしく洗髪します。
植毛した毛が抜けることはある?
人工植毛は必ず抜けて、当然ですがその後に髪が生えてくることはありません。自毛植毛でも髪は抜けますが、そのままにしておいても心配はありません。
自毛植毛で髪が抜けるのは一時的脱毛とショックロスの2つがあります。
一時的脱毛はヘアサイクルが休止期に入ったことで抜け落ちる減少なので、一旦抜けてしまっても3~4ヶ月すると新しい毛に生え変わります。ショックロスは移植した周りの毛髪が抜ける現象ですが起きる可能性は10~20%です。それも一時的なもので6ヶ月~1年で生え変わるので、あまり気にする必要はありません。