公開日 2017年9月28日
遺伝性のAGAは完治しないのでしょうか?

[相談内容]
20代後半の男性です。若い頃から頭髪が薄いという悩みがあり、どうやら親からの遺伝によるAGAということがわかりました。
これまで薄毛改善の薬を服用したり頭皮に塗ったりしたりしましたが、改善は見られませんでした。
このまま30代を迎えるにあたって、薄毛がどんどん進行するのではと不安です。遺伝性のAGAを完治させるのは難しいのでしょうか。
問診票
年齢 | 20代後半 |
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性別 | 男性 |
職業 | 会社員 |
役職 | -- |
睡眠時間 | 6~7時間 |
体重 | 68kg |
身長 | 167cm |
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趣味 | -- |
肌状態 | -- |
使用シャンプー | -- |
お酒頻度 | 週末に1~2回 |
お酒量 | 缶ビール5本前後 |
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配偶者・恋人 | -- |
運動 | -- |
薄毛治療暦 | -- |
薄毛血縁 | 母方の祖父 |
[ヨムトニック編集部の回答]
ご相談ありがとうございます。「遺伝性によるAGAの完治は難しいのか」、ということですね。
以下に回答させていただきますが、我々は薄毛対策メディアを運営している編集者・ライターであって、医師や専門家ではありません。あくまでも本やウェブの情報(クリニックの解説等)をもとに調べたもの、という前提で参考にしていただけたらと思います。
AGA(男性型脱毛症)の主な原因
男性の10人に1人がなるともいわれるAGAですが、そもそもなぜ人は薄毛になってしまうのでしょうか。AGAの発症要因には、大きく下記の3つが挙げられます。
遺伝
髪が薄くなるのは、軟毛化現象を引き起こす男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が原因ですが、男性ホルモンの分泌だけで髪が抜けるわけではなく、ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞の中にある男性ホルモン受容体と結合し、髪の抑制因子であるTGF-βとなって髪の成長を阻害することになります。
ここでいう「遺伝」とは、この男性ホルモン受容体の感受性の高さのことであり、いわば感受性の高い体質が遺伝するといえます。
ストレス
薄毛と遺伝の関係性は前述の通りですが、ストレスもAGAを引き起こす要因といわれます。ストレスがホルモンバランスや血液循環に悪影響を及ぼすことで、ホルモンの過剰な分泌を招いたり、血行不良により栄養が毛根に届かなくなって抜け毛へとつながっていきます。
生活習慣
睡眠不足による自律神経の乱れはホルモンバランスを崩す原因になります。また、タバコは毛細血管を収縮させるので毛根への栄養供給を阻害しますし、ジヒドロテストステロンの血中濃度が高くなるともいわれています。
AGAは完治しないのか
そもそも、「AGAの完治」とはどういった概念になるのかを考えてみたところ、仮に「薄毛になる前の状態に戻る」とすると、完治は難しいといえます。
AGAの根本的な原因は男性ホルモンであり、薄毛に起因する男性ホルモンをなくすということは不可能だからです。
AGA治療はいわば、薬などを用いて薄毛体質を変えることでAGAの進行を抑え、生えている髪の成長を促す「現状維持」が、その目的の大部分となります。
また、体質の変化によって進行が止まったAGAは、治療をやめることで髪の毛が抜けやすい状態に戻ってしまう可能性もあるようです。
つまり、治療をやめることはできない=完治は難しいということになります。
AGAの治療方法
AGAの完治は難しいですが、治療を続けることで薄毛の改善効果は期待できます。AGAの治療には大きく2つの方法があります。なお、AGA治療は健康保険適用外のため、病院・クリニックによって費用が異なりますので、事前に確認することをおすすめします。
治療薬の処方
治療薬を服用もしくは頭皮へ塗布する治療法です。使用される代表的な治療薬は、ジヒドロテストステロンの働きを抑制するフィナステリドを主成分をするプロペシアなどの内服薬と、血管拡張・血行促進によって毛母細胞を刺激して発毛を促すミノキシジルを配合した外用薬です。
これらは併用することでお互いに足りない要素を補うことができるといわれています。
外科的施術
代表的な治療法としては、毛髪の成長を促す成分を頭皮に直接注射するメソセラピー療法やHARG療法と、植毛などが挙げられます。
植毛については、合成繊維で作られた毛髪を頭皮に植え込む人口植毛と、毛根ごと薄くなった部分に移植する自毛植毛があり、現在は自毛植毛が主流となっています。
[まとめ]
AGAには遺伝・ストレス・生活習慣の乱れなどいくつかの原因によって発症します。特に根本的な原因が男性ホルモンの量や感受性の強弱など遺伝的要因が強いため、禿げる前の元の状態に戻ることは難しいといえます。ただし、治療を続けることでAGAの進行を抑え、生えている髪の成長を促すことは可能です。
AGAの治療法は治療薬の処方と外科的施術の二つがあり、薄毛の進行状況などによって適切な治療法を選ぶことをおすすめします。
専門家プロフィール

ヨムトニック編集部です。本回答は編集者・ライターであって、医師や専門家ではありません。あくまでも本やウェブの情報(クリニックの解説等)をもとに調べたもの、という前提で参考にしていただけたらと思います。