公開日 2017年11月30日
皮脂が多いと薄毛や脱毛の原因になりますか?
高校生の頃から継続的な脱毛に悩まされています。
髪質は硬くてとても太いので、本来ならば抜けにくい体質なのですが、抜け毛がずっと多かったです。
M字型の脱毛が目立つのと、頭頂部に近い部分も禿げてきています。
原因として考えられるのは頭皮や顔の脂分が非常に多いです。
脂性肌というよりは過剰なくらい脂が出ていて、いつもベトベトしているのが悩みです。
食生活は大きく乱れているわけではないですが、食べた物の全ての脂分が顔や頭皮からすぐに出てきます。
自分的には男性ホルモンや遺伝という言葉では納得できないので、抜け毛のはっきりした原因と対処法を知りたいですね。



問診票
年齢 | 30歳 |
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性別 | 男性 |
職業 | 会社員、映像制作会社勤務 |
役職 | クリエイター、広告、事務など |
睡眠時間 | 5時間から7時間 |
体重 | 60キロ前後 |
身長 | 174センチ |
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趣味 | ライブ鑑賞、釣りなど |
肌状態 | -- |
使用シャンプー | -- |
お酒頻度 | 週二〜三回、自宅や飲み会でお酒を嗜みます。 |
お酒量 | ビール2〜3杯、チューハイ2杯くらい |
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配偶者・恋人 | -- |
運動 | ウォーキングや自転車 |
薄毛治療暦 | -- |
薄毛血縁 | 母が少し薄毛ですが、年齢も年齢なので薄毛と言うよりは加齢によるものに近いです。 |
ヨムトニック編集部の回答
ご相談ありがとうございます。「皮脂が多いと薄毛になるのかどうか」が知りたい、ということですね。
以下に回答させていただきますが、この記事をまとめているのは編集者·ライターであって、医師や専門家ではありません。
あくまでも本やウェブの情報(クリニックの解説等)をもとに調べたもの、という前提で参考にしていただけたらと思います。
皮脂が多いと薄毛になるのか
皮脂が多いからといって薄毛になるわけではありません。ただ、薄毛になりやすい状態にある身体は、皮脂を過剰に分泌することはあります。皮脂が出るのは結果であり、原因ではないということですね。
よく皮脂が薄毛を引き起こす、と言われますが、正確には皮脂を放置するとそれをエサに菌が繁殖してしまい、頭皮トラブルの引き金になる、というのが正しいです。頭皮トラブルが悪化すると脱毛に繋がることはありますが、皮脂自体は、頭皮を荒らしこそすれ、薄毛の原因にはなりません。
育毛のために頭皮を清潔に保つことは大切ですが、皮脂を取り除いたからと言って薄毛が改善するわけではないのです。
ただ、過剰な皮脂を放置すると、薄毛を引き起こす可能性があります。そうした時におこる脱毛の症状を、脂漏性脱毛症と言います。
稀な脱毛症とされていますが、可能性はゼロではありませんので、今回のように明らかに皮脂の量が多い、と言う場合は、一度皮膚科の先生に診てもらった方がよいかと思います。
過剰な皮脂が薄毛を引き起こす?脂漏性脱毛症とは
脂漏性脱毛症についてかんたんに解説します。
皮脂は毛穴の中にある皮脂腺から分泌され、肌の表面に膜を張ります。肌に広がった皮脂は、そこにいる菌に分解され、脂肪酸に変化して肌を弱酸性にします。
皮脂は、天然の保湿クリームであると同時に、細かい化学物質や細菌から身を守ってくれる機能も持っているわけです。
しかし、何らかの原因によって皮脂の量が過剰になってしまうと、それを食べる菌が大量発生し、その影響で肌が炎症を起こしてしまいます。
<皮脂を過剰に分泌してしまう主な原因>
- 乱れた食生活
- ホルモンバランスを崩すストレスの多い生活
- 頭皮に負担の大きいシャンプー剤
炎症を起こす段階までに、フケが出たり、頭皮にかゆみを覚えたりといった諸症状が出るとされています。そのため、その段階で病院に掛かることが多いとされていますが、この炎症がさらに進むと、髪の毛が抜ける、脱毛症の症状が出てくることとなります。
薄毛の原因と皮脂との関係
皮脂が多い人は薄毛になりやすい、という説は、おそらく男性ホルモンが皮脂の分泌を促すことから来ていると思われます。
男性の薄毛の多くは、男性ホルモンが変化してできるジヒドロテストステロンによって引き起こされます(この脱毛症をAGA=男性型脱毛症と言います)。
その仕組みは、以下の通り。
<AGAが引き起こされる仕組み>
- 体内の男性ホルモンが、毛根部にある5αリダクターゼというたんぱく質によってジヒドロテストステロンに変化する。
- ジヒドロテストステロンが、同じく毛根部にある男性ホルモン受容器と結合してTGF-βというたんぱく質に変化する。
- TGF-βが、髪の毛の成長を阻害するシグナルを出す。
- 髪の成長サイクルが短くなり、髪が成長しないまま抜けるようになる。
- 薄毛となる。
一見すると男性ホルモンが原因のように見えますが、男性ホルモンは5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変化しなければ、薄毛に影響することはありません。また、たとえジヒドロテストステロンに変化したとしても、男性ホルモン受容器の感受性が低ければ、薄毛を引き起こすTGF-βは作られません。
男性ホルモン=薄毛を引き起こすというイメージは、おそらくこうした仕組みが曲解されて定着したものだと思われます。
皮脂を抑え薄毛を改善する方法
もし、まずは自分でケアをしてみたい、ということであれば、健康的な生活習慣を心がけてみてください。
当たり前のアドバイスで恐縮ですが、薄毛対策の第一歩は、栄養バランスの整った食事や、早寝早起き、ストレスのない生活といった、いわゆる健康的な生活を始めることです。
ただ、もっとも確実な方法は、医師の診断を受けることです。長期間脱毛や異常な皮脂が続いているようですし、できることなら皮膚科、ないし薄毛治療の専門クリニックへ相談されてみることをおすすめします。
専門家プロフィール

ヨムトニック編集部です。本回答は編集者・ライターであって、医師や専門家ではありません。あくまでも本やウェブの情報(クリニックの解説等)をもとに調べたもの、という前提で参考にしていただけたらと思います。