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成分・症例名など専門用語解説

公開日 2018年3月28日

男性ホルモン受容体【Androgen receptor】

悩む男性

男性ホルモン受容体とは、悪玉男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)と結びつく、たんぱく質のこと。

簡単にいうと、男性ホルモンをキャッチするアンテナのような役割で、別名アンドロゲンレセプターともいわれています。

男性ホルモンは受容体と結びつくことによって、細胞の核の中にある遺伝子に働きかけることができるようになります。

AGAによる抜け毛や薄毛との関係

AGAの原因といわれているジヒドロテストステロン(DHT)。男性ホルモンのテストステロンと、毛根の周辺で分泌されている5αリダクターゼという酵素が結合することによって作られる、ものすごく強力な男性ホルモンです。

しかしこのジヒドロテストステロンが、直接薄毛の原因になっているのかというと、そういうわけではありません。実はAGAは、DHTが存在しているというだけで発症するものではないのです。

AGAの原因となるのは、DHTが男性ホルモン受容体と結びつくことによって作られる、TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)によるもの。

このTGF-βには、毛乳頭に働きかけ健康な髪の毛の成長を抑制するという働きがあります。たとえDHTが多く分泌されていたとしても、男性ホルモン受容体と結びつくことがなければ、毛乳頭に悪い影響を与えるTGF-βは発生しません。

つまりDHTと男性ホルモン受容体が結びつくのを阻止することができれば、TGF-βは発生することなく、AGAの進行も食い止められるというわけです。

男性ホルモン受容体の分布

男性ホルモン受容体は、髭・脇毛・前頭部などの毛乳頭細胞に存在していますが、側頭部や後頭部には存在していません。AGAによる薄毛や抜け毛で、側頭部や後頭部の毛が残るのはこのためです。

同じように受容体が存在している髭や脇毛の毛には、なぜ影響がないのかというと、ジヒドテストステロンと結合した時に発生する因子が違うため。

頭皮に分布している男性ホルモンとジヒドテストステロンが結合すると、脱毛因子であるTGF-βが発現するのに対し、顔や脇の場合IGF-1という成長因子が発現します。

成長因子には、元気な髪の毛をつくるよう毛乳頭に働きかけるため、髭や脇毛には影響がないということになります。

男性ホルモン受容体の感受性について

男性ホルモンの受容体には、それぞれ感受性の違いがあり、感受性が高い人ほどAGAになりやすいといわれています。

男性ホルモン受容体の感受性は何で決まるのかというと、ずばり遺伝。母親のX染色体に存在する遺伝が関係しているため、AGAになりやすいかどうかは、母方の家系の影響を受けていると考えられます。

また、受容体の感受性の強さについては、AGAクリニックなどのAGA遺伝子検査で知ることができます。

DHTと男性ホルモン受容体の結合を阻止するためには

AGAの原因となる男性ホルモン受容体の働きですが、これは遺伝によるものが大きいため、すでにAGAが進行している場合、食事や生活習慣の見直しでは改善することは難しいでしょう。

最も効果的なのは、AGA治療薬であるプロペシア。プロペシアに含まれるフィナステリドという成分には、ジヒドテストステロンのもととなる5αリダクターゼを阻害するという働きがあります。

フィナステリドはもともと前立腺肥大の治療薬として使われていましたが、その副作用として発毛効果があることがわかり、プロペシアが製品化されました。プロペシアは日本で唯一、厚生労働省の認可を受けているAGA治療薬です。

ただしこれには医師の処方箋が必要となるため、市販での購入はできません。気になる方は、AGAクリニックや皮膚科で診断を受け、処方してもらうようにしましょう。

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