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成分・症例名など専門用語解説

公開日 2018年3月28日

毛乳頭【Dermal Papilla】

前髪を触る男性

毛乳頭とは、血液から酸素や栄養素を受け取り、髪の毛に栄養を提供する役目を持った、真皮の最上層にある組織です。

毛乳頭は、毛穴の底に根を張って、毛球(毛の根元の球になっている部分)に入り込むようなイメージで存在しています。この毛乳頭が血液から酸素や栄養素を受け取り、毛母細胞に毛を作り出すよう作用することで、髪の毛は成長していきます。

ヘアサイクルにおける毛乳頭の役割

自然に成長した場合、髪の毛は主に3つの段階を経て抜けていきます。成長期、退行期、休止期というのがそれです。

成長期には、毛乳頭が活発に活動するため、毛母細胞も活性化され、髪はどんどん成長していきます。具体的には骨形成に関わるタンパク質であるBMP(Bone Morphogenic Protein)や、血管形成に関わるタンパク質であるエフリンなどを作り出して、発毛を促します。

具体的な仕組みは不明ですが、これら2つのタンパク質が発毛促進のシグナルとなっていることは、ライオン社の研究によって2000年代前半に明らかになっています。

髪が成長すると、その成長に応じて、毛穴の底もせり上がっていきます。

毛穴の中の中ほどに皮脂腺という皮脂を分泌する組織があり、そのすぐ下にバルジ領域という領域があるのですが、毛球がこの高さに達すると、髪は退行期に入ります。その際、毛穴の底が下がって、毛乳頭は毛球から抜けます。

そして毛穴の奥で、毛乳頭は再び新しい髪を作り始めます。外部からのシグナルを受け、髪の成長と停止を行う部位、というイメージでしょうか。

薄毛の人は毛乳頭が作り出すBMPやエフリンが少ない

毛乳頭は、BMPやエフリンといったタンパク質によって毛母細胞に働きかけ、発毛を促します。

BMPやエフリンを発見したライオン株式会社の発表によると、男性型脱毛症(AGA)の人の毛乳頭は、BMPやエフリンを作り出す力が衰えていることが判明したとのことです。

AGAは、血液中の男性ホルモンが、毛乳頭にある5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロンに変化し、それがさらに男性ホルモン受容体と結合して作り出すTGF-βによって引き起こされるとされています。

一般に説明される範囲では、「TGF-βの作用は発毛の抑制」、と表現されていますが、もしかしたらTGF-βが影響を与えているのは、BMPやエフリンなのかもしれません。

毛乳頭のはたらきを活性化するには

最近は医療技術が進み、脂肪などから採取した幹細胞を頭皮に注入することで、毛乳頭を活性化させるという治療方法も登場しています。金銭的に余裕があれば、そうした治療方法を試してみるのも手でしょう。

手軽にできる範囲では、やはり生活習慣を整える方法が一番です。毛乳頭は血液から得た栄養で発毛を促すタンパク質を作りますから、偏った食生活を送っていては十分なはたらきが見込めません。

また、栄養を毛乳頭に届けるためには、毛細血管の血行も良くなければなりません。血液がドロドロだったり、血管が収縮するような習慣(喫煙や睡眠不足、ストレスの多い生活など)に覚えがあるなら、まずは手近なところから、生活を改善を図られることをおすすめします。

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