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成分・症例名など専門用語解説

公開日 2017年9月5日

ジヒドロテストステロン【Dihydrotestosterone】

ジヒドロテストステロンは、男性型脱毛症(AGA)の大きな原因となる物質です。男性ホルモンであるテストステロンが、毛乳頭にある5αリダクターゼという酵素によって変換されることで生成されます。

テストステロンは、思春期に声が低くなったり、体毛が濃くなったり、筋肉が発達したりするのを促進します。男らしさの源泉となる大切なホルモンなのですが、これがジヒドロテストステロンに変化すると、髪が細く、柔らかくなり、長く伸びる前に抜けてしまうこととなります。

頭髪に影響を与える仕組み

ジヒドロテストステロンが髪に与える影響は、少々ややこしいです。

まず、血液で毛乳頭まで運ばれたテストステロンが、そこに存在する5αリダクターゼII型の影響を受けてジヒドロテストステロンとなります。

ジヒドロテストステロンは、毛乳頭内に存在する男性ホルモン受容体と結合し、TGF-βという髪の成長を抑え込む物質に変化。このTGF-βが毛乳頭にはたらきかけることによって、徐々にヘアサイクルが短くなっていき、薄毛が進行していくこととなります。

ヘアサイクルとは、髪が成長して抜け落ちるまでのサイクルです。髪は、「成長期」→「退行期」→「休止期」→「成長期」→……というように、3つの工程を繰り返して生え変わっていくのですが、TGF-βはこのうちの成長期を短くしてしまうとされています。これにより、充分に髪が育たないまま抜け落ちてしまうことが、ジヒドロテストステロンによる薄毛の原因です。

ちなみに、テストステロンをジヒドロテストステロンにする5αリダクターゼII型は、前頭部や頭頂部に主に存在します。もしこれらの部位から薄毛が進行しているようなら、ジヒドロテストステロンがその原因(つまりAGA)である可能性が高いと言えます。

ジヒドロテストステロンのはたらきを抑制するには

ジヒドロテストステロンのはたらきを直接抑え込む、効果的な方法は、現在のところ見つかっていません。

5αリダクターゼのはたらきを抑制し、そもそもジヒドロテストステロンが作られないようにする、というアプローチが主流です。

5αリダクターゼの抑制は、主にフィナステリドという飲み薬を用いて行われます。薄毛の原因はケースバイケースによって違うため、フィナステリドを飲めば必ず薄毛の進行が止まる、というものではありません。

しかし多くの人は、概ね3~6ヶ月間飲み続けることで、抜け毛が減ったり、髪が太くなったりといった効果を実感しているようです。ジヒドロテストステロンが原因の薄毛であれば、高い確率で進行を食い止めることができるはずです。

ただ、これはあくまでも進行を食い止めるためのもの。発毛を促すには、ストレス、タバコ、偏った食生活などの、頭皮環境を悪化させる習慣を改善したり、育毛剤や頭皮マッサージなどのこまめな頭皮ケアを行ったり、地道な努力が不可欠です。

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