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成分・症例名など専門用語解説

公開日 2018年4月27日

iPS細胞【induced pluripotent stem cells】

遠心分離機

そもそもiPS細胞とは

2006念に誕生した、新しい細胞のこと。人間の細胞にごくわずかな因子を注入して培養することによって「多能性幹細胞」に変化します。

多能性幹細胞とは、どんな細胞にもなることができ、さらにほぼ無限に増殖することのできる細胞のこと。京都大学の山中伸弥教授が、世界ではじめてこのiPS細胞を作り出すことに成功しました。iPS細胞は、再生医療や新薬の開発に活用することができると考えられています。

再生医療とは、ケガや病気によって損なわれた機能を回復させるための治療法。iPS細胞がもつ機能を利用して、新たな細胞を作りだし、増やすことで、損なわれた機能を改善させることができるというわけです。

またこれを利用すれば、人体では行うことのできない新薬の検査やテストを行うことができるため、新薬の開発も活発になると考えられているのです。

育毛との関係

iPS細胞は、薄毛治療にも応用できるのではないかと期待され、2020年頃の実用化に向けて、現在も研究が進められています。

薄毛とは、何らかの原因によって、髪の毛を作り出し成長させる頭皮の働きが弱まっている状態。そこでiPS細胞を使って、その衰えた働きを正常な状態に戻すことができれば、薄毛の改善が期待できるというわけですね。

その方法は、まず薄毛患者の毛髪の一部を毛根ごと切り取ります。そこから細胞を取り出し、数ヶ月間かけて細胞を数百万個まで培養し増やします。それをまた頭皮に注入することで、活発な細胞が衰えた毛根に刺激を与え、健康な髪の毛の成長を促進してくれるというわけです。

メリットとデメリット

1番のメリットは、他の薄毛治療法と比べて効果の実感度が高いということ。育毛剤やシャンプーなどは、人によって得られる効果が異なり、誰でも確実に改善できるというわけではありません。しかしiPS細胞を使った毛髪再生医療なら、細胞の培養がうまくいけば、好きな部位に好きなだけ髪の毛を増やすことができます。

しかし、まだ新しい治療法のため、費用面はデメリットとして挙げられるでしょう。見事実用化が実現したとしても、治療費には数百万かかるのではないかといわれています。

自毛植毛との違い

自毛植毛とは、その名前の通り自分の髪の毛を使って行う植毛のこと。健康な髪の毛を毛皮ごと採取し、気になる部分に植毛することで毛を蘇らせるという治療法です。

人工の毛ではなく、もともと生えていた自分の毛を植え付けるため、拒絶反応などの心配もなく、植毛の中では安全性が高い治療だといえます。

iPS細胞を使った薄毛治療も、ある意味では自毛植毛に位置づけられますが、実はこの2つの治療法にはたくさんの違いがあります。

まず自毛植毛の場合、移植できるだけの毛根組織が残っていることが治療を受ける条件となります。一般的に自毛植毛は、残っている髪の毛を採取して移植を行います。そのため、髪が全くない状態では植毛を受けることができません。

一方、iPS細胞の毛髪再生医療は、1本1本髪の毛を植え付けていく植毛とは違い、今ある毛根を再び活性化させるという治療法。髪の毛が全くない状態でも受けることができます。

また植え付ける作業が必要な自毛植毛よりも、手術時間がはるかに短いのがiPS細胞を使った毛髪再生医療です。頭皮の傷も小さくて済むので、安全性や体への負担が小さいといえるでしょう。

価格の面では、自毛植毛よりも多少割高になるといわれていますが、その効果の確実性や安全性を考えると、実用化を待ち望んでいる人も多い治療法なのではないでしょうか。

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