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成分・症例名など専門用語解説

公開日 2017年9月5日

テストステロン【Testosterone】

テストステロンは、男性ホルモンの一種です。主に男性の睾丸から分泌されるホルモンで、筋肉や骨格の発達を促します。

また、性器の発達や精子の増加、活力を増進するはたらきがあるとされています。

個人差はありますが、10代半ばから増加し、30代に入るころから少しずつ減少していくのが一般的です。

量は少ないながら、副腎からも分泌される成分であり、女性の身体にも男性の5~10%ほどのテストステロンが存在します。女性の場合は、とくに下腹部の発毛に影響するとのことです。

髪の毛への効果と影響

ジヒドロテストステロンに変化すると脱毛のきっかけになる

テストステロンは、そのままであれば髪の毛に大きな影響を与えることはありません。しかし、テストステロンからジヒドロテストステロンという物質に変換されてしまうと、脱毛の大きな原因となってしまいます。

テストステロンは、血液に乗って毛乳頭という毛の根元に入ります。そこには 5αリアクターゼという酵素があり、これの影響を受けるとテストステロンはジヒドロテストステロンに変換されてしまいます。

ジヒドロテストステロンには、毛乳頭を萎縮させ、髪の毛の成長をストップさせるはたらきがあります。これの影響で、毛が細く、短くなってしまうわけです。

男性型脱毛症の多くは、このジヒドロテストステロンによって引き起こされるものとされています。

テストステロン量は必ずしも髪の毛に影響しない

テストステロンの量が多いと、それに比例してジヒドロテストステロンも多く生成されてしまうような印象があるかと思います。しかし、必ずしもそういうわけではありません。

テストステロンは、5αリアクターゼの影響を受けてジヒドロテストステロンに変化します。5αリアクターゼの分泌量によっては、いくらテストステロンが多くとも、頭髪や髪の毛に影響を与えるほどのジヒドロテストステロンが生成されない可能性もあるわけです。

男性ホルモン(テストステロン)と薄毛の因果関係を明らかにしたハミルトン博士

男性ホルモンと薄毛の関係を初めて明らかにしたのは、アメリカの解剖学者、ジェームズ・B・ハミルトン博士とされています。

1940年代のアメリカのいくつかの州では、知的障害や囚人の男性が去勢されるケースがよく見られました。去勢すると、凶暴性が収まることがわかっていたからです。

1942年の某日、ハミルトン博士はある双子に会いました。双子の片方は豊富な髪を持っており、もう片方は完全な禿頭です。話を聞くと、髪の生えている方は元囚人で、去勢されていました。この事実が、ハミルトン博士にアイディアを与えたといいます。

博士は、去勢された方の双子にテストステロンを投与して実験を行いました。すると、投与後に声が低くなったり、ニキビができだり、筋肉が肥大したり、性欲が増進したりといったさまざまな変化が確認されました。興味深いのは、豊富な髪がなくなり、彼の兄弟と同じように禿げあがってしまったということです。

その後、ハミルトン博士はさらに大規模な実験を行いました。去勢された受刑者104名を対象にテストステロンを投与し、去勢されていない312人の男性と比較する、というものです。

結果、テストステロンが与えられた人物のうち、家族に禿頭の男性がいたケースでは、頭髪が明らかに後退したといいます。しかも、テストステロンを投与する期間が長ければ長いほど、その影響は顕著だったことが報告されています。

これによってハミルトン博士は、脱毛に男性ホルモンが関係していることを明らかにしたわけです。

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